ほうれい線に表情筋エクササイズは逆効果?

ほうれい線対策は筋肉を鍛えない?

ほうれい線は口輪筋や頬筋などを鍛えることで改善するという説が半ば常識化しており、多くの美容サイトでは表情筋を鍛える方法が掲載されています。しかし表情筋を鍛えることでむしろほうれい線は悪化するという説も。

ほうれい線の改善を目的としている当サイトも複数の表情筋エクササイズ法を紹介しておりますが、顔の筋肉は鍛えないほうがいいという説はその真逆をいくもの。

考えようによっては面倒な顔の体操をしなくていいというメリットもありますが…

ほうれい線が消えるどころかむしろ悪化してしまう可能性があるという説について徹底的に検証してみたいと思います。

表情筋エクササイズで悪化する理由

ほうれい線対策の定番である表情筋エクササイズですが、以前から否定的な意見が散見されたのも事実。それを世に知らしめたのがNHKの「ためしてガッテン」。

まずはその動画を紹介しておきます。件の説は2:00あたりから。

2017年に逝去された野際陽子さんがご健在の頃ですね。この番組で紹介された筋肉としわ・たるみの関係についてのポイントを書いておきます。

  • 顔のシワやたるみは筋肉の衰えではなく重力によって引き起こされる
  • 大きなシワやたるみのほとんどは筋肉が縮むことでできる
  • シワやたるみの対策は筋肉を縮ませるより緩ませることが効果的
  • 適度に表情を豊かにして筋肉をリラックスさせることが重要
  • 過度な表情筋エクササイズは皮膚が伸びて逆効果

肌は筋肉の上に存在し、若い頃は筋肉の力に負けないだけのハリや弾力があるが、加齢などによって肌の弾力やハリが衰えた状態で表情筋を鍛えすぎると、望まない方向に引っ張られシワやたるみを作り出してしまうと解説しています。

つまりは、衰えた肌に鍛えられた筋肉というアンバランスな状況がたるみやほうれい線を作り出してしまうのだと。

この話が本当であれば、口輪筋や小頬骨筋、大頬骨筋などを鍛えることで顔が上に引っ張られ、皮膚が伸びてたるみやほうれい線の原因になってしまうことに。

「適度に表情を豊かに」というのは、表情筋エクササイズなど行わず、自然のままに喜怒哀楽を表現すればいいという意味が込められているのでしょう。

…常識が覆された気分です…

表情筋トレーニングは逆効果との意見も

ほうれい線対策のための表情筋トレーニングやエクササイズは様々存在します。あいうべ体操やまいう体操、舌回し、口の中に親指を突っ込んでほうれい線をなぞる方法など枚挙にいとまがありません。

そしてこれらの多くにはある特徴が。それは顔や口を大きく動かすという点。

顔や口、頬を大きく動かし普段使わない筋肉を鍛えることで頬を内側から引き締め、ほうれい線を消そう、改善しようというのが表情筋エクササイズの目的となっていますよね。

しかしこの「顔を大きく動かす」という点についてはかねてから否定的な意見が存在します。顔を過度に動かすことで皮膚が伸びてしまうというのです。

ゴムやストッキングなど伸縮性のあるものでも、長期間使用し続けることによって伸びてしまうことを想像すれば分かりやすいでしょうか。そう考えると確かに説得力はありますが…

ためしてガッテンでも語られていた「適度に表情を豊かに」という点にも共通するものを感じます。ほどよい動きであればプラスに働くものの、過度な動きはたるみやほうれい線を助長する結果になってしまうということか。

たるみやほうれい線の原因を改めて振り返る

ここで今一度ほうれい線の原因を振り返ってみましょう。

小鼻から口角にかけて伸びるシワのように見えるほうれい線。厳密にはシワではなく頬がたるんで落ちることによって口の周りとの境界に現れる溝とされます。

つまり原因は頬のたるみ。

この頬のたるみがなぜ起きてしまうのかというと、皮膚の奥にある真皮が衰えることに原因があります。

真皮にある線維芽細胞が作り出すコラーゲンやエラスチンによって肌の弾力やハリを維持しているものの、様々な要因によってコラーゲンやエラスチンが破壊・減少してしまうと肌のハリや弾力が失われ、重力によって下に引っ張られた結果たるみとなって現れるのです。

ほうれい線ができる原因

この要因というのは加齢であったり紫外線であったりと様々ですが、確実に言えることは、一度衰えてしまった真皮を復活させることは極めて難しいという点。

仮に表情筋エクササイズが逆効果になり皮膚が伸びたり真皮にダメージを与えてしまったりするのであれば、それを元に戻すのは困難を極める可能性も。

皮膚が伸びてたるんだ頬は治らないのか?

顔を大きく動かす表情筋エクササイズを行うことで皮膚が伸びてしまうという説が存在するのは分かって頂けたと思います。それが真実と仮定したとき問題になるのは「伸びてたるんだ皮膚は戻るのかどうか」ではないでしょうか?

例えば過度な肥満の人がダイエットによって数十キロ体重を落とすと、体中の皮が余ってしまうのは有名な話ですよね。多少のダイエットであれば伸びた皮や皮膚は元に戻りますが、40キロも50キロも落とすようなダイエットであれば皮膚や皮が元通りに戻ることはほとんど期待できないのが実情。

ただ、肥満に関しては数年、数十年という長期間にわたって皮膚が伸ばされているのに対し、表情筋エクササイズは1日のうちほんの数分程度ですよね。そんな短時間のもので皮膚が伸びることはありえるのでしょうか?

結論から言えば「ほとんど考えられない」となります。

仮にこれが体の皮膚であれば、数分のエクササイズ程度で伸びてたるむなんてことはまず考えられないでしょう。顔にしても現実的な可動域のなかで数分間動かしている程度で伸びてしまうとは考えにくい。

表情筋エクササイズの有効性うんぬんはさておき、少なくともこれによって皮膚が伸びてしまうということはないとみていいでしょう。

エクササイズはほうれい線やたるみを作り出す?

まず最初に、ほうれい線に効果があるとされる表情筋エクササイズですが、実はこれらを行うことによってほうれい線や顔のたるみが解消されるというエビデンス(科学的根拠)はほとんど存在しません。

例えれば民間療法のようなものということになるでしょうか。

であるならば、否定的な意見が存在しても何ら不思議はありません。エビデンスを重視する医師であればなおさらでしょう。

ただ、それを言うのであれば、たった一人の医師の見解を聞いただけの健康番組も同様。表情筋はある程度鍛えるべきとする医師が多いなか、一人の医師が番組内で述べた否定的な意見が正しいと言えるでしょうか?

臨床試験のデータなどしっかりとした科学的根拠を示したうえでの意見であればまだしも、医師の個人的な見解など民間療法と同じレベルです。。

まあ、ためしてガッテンの番組内では「筋肉を一ヶ所だけ強くするとシワやたるみの原因になる」と言っているので、要はバランスが大事という話なのかもしれませんが。

表情筋エクササイズは無意味ではない

ただし、皮膚が筋肉の上に乗っている都合上、顔の筋肉をいくら鍛えたところでたるみやシワ、ほうれい線の改善には繋がらないという意見には一定の説得力があります。

どんなに筋肉質な人でも太ってしまえば皮膚や皮はダルダルになりますよね。筋肉を付けることよる引き締め効果には限界があり、表情筋によるたるみ、ほうれい線改善効果は限定的なのかもしれません。

とはいえ、顔にある程度の筋肉がなければ支えられるものの支えられないのは間違いありません。

バランスの悪い筋肉の付き方であれば、ためしてガッテンでも言っていたようにたるみやシワの要因になるかもしれませんが、バランスよく顔の筋肉を付けることがマイナスになることはないと考えます。

一部の顔の筋肉しか使わないエクササイズのみを行うべきではなく、複数を組み合わせてバランスよく表情筋を鍛えたほうがいいという結論になるでしょうか。

もちろん表情筋を鍛えたからといって必ず改善するわけではなく、また改善したとしてもその程度には限界があるのも確か。そして過剰なほど行うのは逆効果になる可能性があることも付け加えておきます。

結局は、肌がたるまないよう日常的にしっかりとケアすることが重要という、ありふれた結論に。ほうれい線の予防・改善は顔の筋肉うんぬんより肌の弾力やハリをいかに保つかが重要になるのです。

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