セラミドでの保湿がほうれい線に有効
肌の乾燥が原因でできてしまう可能性があるほうれい線やシワなどにとって保湿は重要な予防法・改善法で、そのカギを握るのが肌のごく表面の角質層を守っているセラミドです。
保湿というとコラーゲンやヒアルロン酸を思い浮かべる人も多いかもしれませんが、これらは本来真皮において肌の弾力や保湿を担っているもので、化粧品の成分としてもセラミドとは若干目的が異なります。
肌の保湿を考える上で絶対に欠かすことのできないセラミド。ほうれい線への対処にも関わってくるものなので、正しい知識を身に付けほうれい線予防・対策に役立てて下さい。
セラミドとは?
女性であればセラミドという言葉を聞いたことないという人は少ないと思いますが、「保湿してくれるもの」という漠然とした認識に留まっている人も多いと思いますので、まずはセラミドがどういったものか触れておきます。
セラミドは肌の一番上に位置する表皮の中でも最も外側にある「角質層」に存在する細胞間脂質で、幾重にも重なる角質層の細胞の間を埋め外部からの刺激などを防ぐとともに、内部からの水分蒸散を防いでいます。
ヒアルロン酸が真皮のコラーゲンやエラスチンの隙間を埋めるように水分を蓄えるものである一方、セラミドは角質層で保湿を担う成分ということになります。
若い時はこのセラミドが十分に存在しますから、保湿ケアを多少怠ったところで極端な乾燥肌にはなりにくいものの、セラミドは加齢とともに減少の一途を辿り徐々に不足していくことに。
そうなると角質層の表面がめくれ上がるような格好となり、外部からの刺激に弱くなるばかりか、内部からの水分を保持することも難しくなり、結果真皮の水分まで失われほうれい線やシワを作り出してしまうのです。
化粧品に含まれるコラーゲンやヒアルロン酸は基本的に真皮まで届かず角質層の表面で保湿を担うものですが、化粧品に配合されるセラミドは角質層が本来持っているセラミドを補うという点で目的が異なっています。
セラミドとほうれい線の関係
では、セラミドが不足するとほうれい線にどういった影響があるのでしょうか?
ほうれい線を作り出してしまう原因は紫外線や生活習慣、肥満、喫煙など多岐にわたり、セラミドが不足することによって起こる乾燥もそのひとつ。
軽度な乾燥であれば表皮上のこまかいシワ「ちりめんジワ」程度で済むため、ほうれい線に沿った位置にちりめんジワができない限り目立つことはなく、またこのシワはしっかりとした保湿ケアを行うことで消すことができます。
ほうれい線は真皮のダメージによって現れるものなので、軽い乾燥で済んでいるうちにセラミドを補給するなど保湿ケアに力を入れる対策を取ればほうれい線ができてしまう、深くなってしまうという事態を避けることができます。
しかし、乾燥肌を放置すると内部の水分が外に逃げてしまうことにより真皮のヒアルロン酸が保持している水分も減少、それにより肌の弾力やハリが失われ頬がたるみ、結果ほうれい線ができてしまうことに。
真皮の水分蒸散を防ぐには角質層のバリア機能がしっかりと働いていることが重要で、そこで重要になるのがセラミドなのです。
セラミドを外部から補う
これらのことから肌の保湿やほうれい線解消・予防においてセラミドの重要性は疑いようがありません。しかし、角質層のセラミドを増やすには具体的にどういった方法が考えられるのでしょうか。
その方法は大きく分けて2つ。外部から補うか、内部から生成するかで、最も手っ取り早く、また確実に効果が望めるのが化粧品でセラミドを補う方法。
セラミドが配合されている化粧品は数多く存在し、それらを使用することでセラミドを補い肌の保湿力を高めることができます。
ただし、気をつけて欲しいのはセラミドの種類。
一口にセラミドといってもその種類は多くその数は11種あるとされ、特に重要になるのは成分表示でいう「セラミド1」「セラミド2」「セラミド3」「セラミド6」になります。
特に保湿能力が優れるのは「セラミド2」なので、「最近乾燥が気になって…」という場合はセラミド2を中心に配合した化粧品を選ぶと良いでしょう。
ただ、セラミドは動物性や植物性などといった分類も行われるため混乱しがち。
主なセラミドの分類は…
■ヒト型セラミド
主に酵母などから作られる合成セラミドで、その名の通り人間のセラミドに近い構造になっています。
人工的に作られたセラミドであるため警戒感を示す人もいるかもしれませんが、人間のセラミドに近い構成のため肌のと親和性や浸透力が高く、最も理想的なセラミドとなっています。
化粧品の成文表に「セラミド」と表記できるのはこのヒト型セラミドだけなので、上記のセラミド2やセラミド3などはすべてヒト型セラミドということになります。
価格は全般的にやや高め。
■天然セラミド
主に馬の脳や脊髄から抽出された動物由来のセラミド。
動物由来であるため人間の肌との親和性が高く保湿力にも優れ、また人間が行うセラミド生成を促す作用もあるとされています。
■植物性セラミド
米やこんにゃく芋、大豆、トウモロコシなどから抽出されるセラミド。
自然由来であるため動物性同様肌に優しいという特徴がある一方、動物性やヒト型に比べやや効果が低く、またアレルゲンともなりうる大豆などを使用するため、アレルギーを持っている人は注意が必要。
他のセラミドに比べ価格が安めなのはありがたい。
■合成セラミド
石油由来の合成セラミドで、動物性やヒト型に比べ安価に製造できることから多くの化粧品に使われています。
ただヒト型や動物性に比べると効果は低く価格なりの効き目しか期待できません。
セラミドを内部から生成する
人間の体では日々セラミドが作られていますから、それを強化・促進させることで内部からセラミドを補うことも可能です。
セラミドを含む食品を摂取すると体内でスフィンゴシンや脂肪酸、糖に分解されるため、直接セラミドとして使用されることはありませんが、スフィンゴシンは全身の角質層で再びセラミドの生成を促進する作用があります。
セラミドを多く含有する食品として挙げられるのは、植物性セラミドの材料となる米や大豆、トウモロコシ、こんにゃく芋など多岐にわたりますが、中でも含有量が多いとされているのがこんにゃく芋です。
そう聞くとこんにゃくを食べれば良いように感じますが、一般的なこんにゃくは「こんにゃく粉」で製造されており、これはセラミドの含有量が少なく効果もあまり望めません。
理想的なのは生芋を使った「生芋こんにゃく」で、こちらであれば約半丁で1日に必要なセラミドを補えます。カロリーもほとんどないためほうれい線の原因となる肥満の予防・解消にも役立つはず。
ただ、ちょっと高いんですけどね…
質の高い生芋こんにゃくは芋の旬でないと作られないこともあり、1年中安定してセラミドを摂取したいのであればサプリメントに頼ったほうが楽である上に経済的な負担も軽減できるはず。
ただ、サプリメントはあくまでも補助食品であるため、毎日米や大豆、海藻類などを意識的に摂取し補いたいところです。
セラミドを保持することが保湿のカギ
肌を保湿する成分として今回取り上げたセラミドのほか、ヒアルロン酸やコラーゲンなどが代表的なもので、どれを重視すればいいか迷ってしまいますよね。
どれも保湿力の高いものであることに違いはありませんが、コラーゲンやヒアルロン酸は本来真皮に存在するもの。化粧品によって肌にこれらを塗っても真皮に届くことはなく、また基本的に分子量が多いため角質層のごく表面に留まってしまいます。
一方のセラミドは元々が角質層の間に存在するものなので、これが入った化粧品を使うことは肌本来の保湿力を助ける意味合いが強くなります。
このことから、セラミドで角質層を保護しつつヒアルロン酸でしっかりと保湿する…というのが理想になるでしょうか。
最も効果の高いヒト型セラミドが入った化粧品はやや高価ではあるものの、肌の保湿を第一に考えるならセラミド2などが配合された商品を使用したいところ。
ほうれい線が気になっている場合、肌の乾燥が原因になっていることも多々ありますので、質の高いセラミドが入った化粧品を試すのはもちろん、食品としてもしっかりと摂取し体の内外から積極的に補うようにして下さい。
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