リコピン摂取でほうれい線は改善するか?

リコピンとほうれい線

豊富な栄養素を含有するトマトにおいて美容に効果的なのがリコピン。高い抗酸化作用を持つリコピンはほうれい線に対しても高い効果を発揮、改善の手助けになることは間違いありません。

ただ、リコピンという言葉は聞いたことがあっても、それが具体的にどういったもので、どんな作用によってほうれい線を消すのかについて理解している人は少ないのではないでしょうか。

どういった作用でほうれい線に働きかけるのか?どうやって摂取するべきなのか?そういった疑問にも応えていきたいと思います。

また、トマトジュースで有名なカゴメがリコピンと美容に関して興味深い研究を行っているので、それも併せて紹介していきましょう。

リコピンとは?

まずリコピンとはどういったものなのかについて見ていきましょう。

この栄養素は非常に高い抗酸化作用があり、その力は同じく抗酸化物質であるビタミンEの100倍以上とも。食物から摂取できる抗酸化物質としてはアスタキサンチンに次ぐ力を持っている印象。

カロテノイドの一種であるリコピンは赤やオレンジ、黄色といった暖色系の色素を持ち、トマトに多く含まれることで有名です。

余談ですがリコピンは「リコペン」と呼ばれることもあり、ちょっと紛らわしい。カロチンとカロテンがイコールであるのと同様か。個人的にはリコピンのほうが可愛らしくていいと思うんですけどね。

リコピンの作用

強力な抗酸化作用を持つリコピンは、細胞の老化や酸化を促進させる活性酸素を除去することによるアンチエイジング効果が期待できます。

ほうれい線ができてしまう原因の代表的なものは加齢や紫外線による肌の衰えが挙げられます。しかしこれらの原因の奥底には活性酸素が関わっていると言っても過言ではありません。

老化を促進する活性酸素は生活の中の様々な要因で増えてしまいます。喫煙や飲酒、過度な運動、紫外線、ストレスはもちろん、極端な例を挙げれば呼吸をしているだけでも一定の割合で活性酸素が生まれ細胞は酸化してしまうのです。

それに立ち向かうために大きな力になるのがビタミンEやβカロテンなどの抗酸化作用を持つ成分。中でもリコピンは非常に強い抗酸化作用を持っている上、身近な食品で摂取しやすいというメリットもあります。

リコピンがほうれい線に与える影響

リコピンがほうれい線に与える影響についてもう少し詳しく見ていきましょう。

ほうれい線ができてしまう原因は多岐にわたるものの、ほとんどすべてに共通することは肌の奥にある真皮が衰え溝ができることによってほうれい線が浮き出てしまうという点。

ほうれい線の原因

その真皮の弾力やハリを支えているのが線維芽細胞が作り出すコラーゲンやエラスチン、そしてその隙間を埋めるヒアルロン酸といった成分。

これらは皮膚中に発生した活性酸素によって酸化されると老化を起こし、肌の土台となる真皮の弾力やハリを喪失させてしまいます。特に紫外線によるエラスチン変性は大きな影響を与えるとされます。

肌のケアといえば化粧品などによって外部から保湿などを行うのが一般的となっていますが、化粧品に含まれるコラーゲンやヒアルロン酸などは肌に塗布しても真皮に到達することはなく、活性酸素による真皮の酸化や老化を抑えることはできません。

そう、真皮の老化を防ぐには抗酸化作用を持つ成分をしっかりと摂取することがなにより重要であり、抗酸化作用を持つ成分の中でも屈指の力を持つリコピンはほうれい線の予防・解消にとって非常に効果的なのです。

カゴメの研究でシワへの有効性が示された

2011年のことですが、トマトジュースを製造・販売することで有名なカゴメがトマトジュースの摂取で肌にどういう変化や改善があるのか試験を行っております。当然ながらリコピンの抗酸化作用を調べる意味合いが強いもの。

被験者はカゴメ株式会社に所属する20~49歳の男性15名、女性21名の計36名。1日あたりトマトジュース160gを摂取する群とミネラルウォーター160mlを摂取する群に分けたうえで12週間続け、肌の状態などの差を観察するというもの。

まず、血中のリコピン濃度に関し明らかな差が出ています。

トマトジュースによる血中リコピン濃度
出典:カゴメ株式会社

高い抗酸化作用を持つリコピンの血中濃度が増えるということは、ほうれい線のみならず全身のアンチエイジングにとって大いに役立ちそうな印象を受けますよね。

それを裏付けるかのように、肌には以下のような差が出ています。

トマトジュース摂取による肌変化
出典:カゴメ株式会社

左が肌の弾力や水分量、油分量など角質層の状態を示したグラフで、右が眼下のシワの数の変化量を示したものになります。

どちらもトマトジュースを摂取した群では改善が見られており、特にシワの数においては血中のリコピン濃度に反比例するように減っているのが分かります。

これはカゴメの社内試験であり客観性に乏しいこと、被験者が少ないことなどから必ずしも信憑性が高いとは言い切れないものの、リコピンの抗酸化作用が肌やシワに好影響を与えるという可能性は示唆されていると見ていいでしょう。

ここでは主に表皮のごく表面にある角質層にスポットライトを当てているため、真皮の衰えが大きな要因となるほうれい線への影響については未知数な部分も多いものの、リコピンを経口摂取し内部から効果が出ていることを考えると真皮の改善も期待できる可能性は十分あるのではないでしょうか。

リコピンを効率よく摂るには

リコピンを摂取すると聞いて真っ先に思い浮かぶのはやはりトマトですよね。

トマト…特に真っ赤な完熟トマトには豊富なリコピンが含まれています。ただトマトだけにしか含まれていないわけではなく、ピンクグレープフルーツ…いわゆるルビーやスイカでも摂取することができます。

ただ、1年中手に入れやすく調理法が豊富という点においてトマトを上回るものはありませんので、リコピンを摂取するならやはりトマトがベストといえるでしょう。

生で食べる?加工して食べる?

トマトといえばやっぱり生食。トマトジュースやケチャップ、パスタのソースなど加工品を摂取する方法もありますが、やっぱりサラダなど生で食べるのが美味しいですよね。私もトマトは生が一番です。

しかしリコピンの摂取という観点で見れば必ずしもそうとはいえません。

トマトの加工品を多く手掛けるカゴメが行った試験では、トマトは加熱調理したほうがリコピンを効率的に摂取できるという結果が出ています。加熱しトマトの細胞壁が壊れることで熱に強いリコピンが摂取しやすい状態になるためとされます。

つまり、サラダなど生で食べるより、加工品もしくは調理して摂取したほうが効率よくリコピンを摂ることができるというのです。

トマトの加工品を多く手掛けているカゴメだけに、都合の良いデータのみを公表してるんじゃないの?」という穿った見方もできますが、栄養学などでも同様の見解なので本当らしい。

生が美味しいのに…

脂溶性のリコピンは油と相性がいい

リコピンやβカロテンなどのカロテノイドは脂溶性であるため、油で調理することで吸収しやすくなります。熱も加わるため一石二鳥といったところでしょうか。

炒め物をしたりパスタに使用したり、カレーに入れるのもいいかもしれません。

個人的にはトマトを調理するイメージはあまりないため、どんな料理があるか例を挙げるのは難しいのが実情。しかしネット上には様々なレシピが存在していますので参考にしてみるといいかもしれませんね。

生が美味しいのに…


リコピンを摂取するには熱を加えたり油を使ったりするのが良いのはご理解いただけたと思います。しかし自分で調理するとなると手間がかかります。私のようにレパートリーが少ない人も多いでしょうし。

そう考えるとトマトジュースやホールトマト缶などを上手に活用するのがいいのかもしれませんね。

ちなみにカゴメの回し者ではない。

トマト嫌いはどうすればいい?

トマト嫌いがリコピンを摂取

ほうれい線改善にとって重要な位置付けになりそうなトマトですが、現実問題として嫌いな人も多い食材だったりします。

独特の青臭さや酸味があり、中のゼリー状の部分が気持ち悪いという人も多い。

生がダメなだけで調理してあれば問題ない」というのであればいいですが、トマトを使ったもの全般が苦手となればリコピンを摂取する機会はかなり減ってしまうことでしょう。

そういった場合はサプリメントの使用を考えてみてもいいかもしれません。

トマトからリコピンを摂取すれば様々な栄養素もバランスよく摂ることができるため、それがベストなのは間違いありませんが、それができないのであればリコピンだけでも摂取するべきでしょう。

現在はリコピンに加え色々な栄養素もプラスしているサプリメントが存在しているので、そういったものを上手に活用するようにしてください。

リコピンを摂ってほうれい線改善を

様々な抗酸化物質の中でも屈指の力を持つリコピン。食材を手に入れやすいことも相まって体の内部からほうれい線を改善・予防するには最適な成分といえます。

トマトにはリコピン以外にも様々な栄養素が豊富に含まれているので、積極的に摂取することで体全体のアンチエイジングにも役立つはず。

摂取のコツはやはり加熱と加工。私のような生トマト好きにはちょっと悲しいが、加熱することで多くのリコピンを吸収できるというのであれば、これを使わない手はありません。

基本的にほうれい線は何もしなければ加齢とともに深くなっていく一方。それを改善・予防するためにも高い抗酸化作用を持つリコピンを積極的に摂取するようにしてください。

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