ほうれい線と遺伝の関係
最近目立ってきたほうれい線。親もほうれい線が深いし、もしかしたら遺伝なのかも…そう感じたことはありませんか?一見遺伝とは関係なさそうなほうれい線ですが、実はそこには深い関係が…
ほうれい線は頬などのたるみによって現れるもので、各々の紫外線対策や保湿ケアなどによって大きく左右されますので、遺伝とはあまり関係がないように感じますよね。
しかし、近年は肌質の遺伝を調べる検査キットが販売されるなど肌と遺伝の関係に着目する動きが活発化しており、当然ほうれい線も例外ではありません。
もしかしたらそのほうれい線、遺伝かもしれませんよ。
遺伝がほうれい線に与える影響
ほうれい線に遺伝が関わっている可能性があるといっても、「ほうれい線を作り出す遺伝子」が存在するわけではありません。
つまり、直接的な遺伝ではないものの、いくつかの要素が重なって結果的に“遺伝の影響”となるのです。
その要因を挙げてみましょう。
■肌質
親子で顔が似るように、肌質もある程度遺伝するとされています。
特にキメの細かさや皮脂腺の量、毛穴の大きさなどは遺伝しやすく、大したケアを行っていないのにやたらと肌が綺麗な人、頑張ってケアしているのにイマイチな人がいるのはこのせい。
キメは細かいに越したことはないものの、皮脂腺に関しては微妙なところ。
皮脂腺が多く脂性の女性は毛穴も広がりがちというデメリットがあるものの、肌の環境にとっては皮脂腺が多いほうが良く、脂性の女性のほうがシワが少ないと言われる所以でもあります。
角栓やニキビのできやすささえクリアすれば、豊富な皮脂によって角質層を守る乾燥しにくい肌ということになりますから、乾燥によって真皮にダメージを与え、たるんだ結果ほうれい線ができるという事態を予防してくれる働きも。
■骨格・顔の形
顔の骨格も驚くほど似ることがありますよね。
顔の骨格や形はほうれい線のできやすさに影響しており、若い時は可愛らしいふっくらとした丸顔は将来たるんでほうれい線ができやすいとされていますし、逆にシャープな顔は可愛らしさこそないものの、ほうれい線のできにくい形といえます。
■コラーゲン分解遺伝子(MMP1)
多くの遺伝子の中にはMMP1(マトリックスメタロプロテアーゼ1)というコラーゲンの分解を行う遺伝子があり、この遺伝子に変異がある場合コラーゲンを過剰に分解してしまいます。
コラーゲンは肌の深く…真皮に多く存在し、ハリや弾力を保っているタンパク質。これの分解が必要以上に促されると深いシワやたるみの原因になってしまいます。
■抗酸化力
人間の体にはSOD(スーパーオキシドディスムターゼ)という酵素があり、この酵素は老化を促進させる活性酸素を分解する能力があります。
この酵素の活性に影響を与えるのがSOD2遺伝子で、型によってSODの活性具合が変わってきます。
活性酸素の分解能が弱いと体内に増えてしまうことになり、真皮のコラーゲンやエラスチンを変性させハリや弾力を衰えさせ、それはたるみとなってほうれい線を作る原因に。
遺伝とは言い切れないが食生活が似ることも一因
家族という形態をとっている以上、どうしても似てくる食生活や生活習慣も「遺伝でほうれい線?」と疑わせる一因に。
親と同居していれば朝晩の食事は同じである場合が多くなるのが自然で、そこに栄養の偏りなどがあれば肌老化の傾向に似てくると考えるのは自然な事。
また、遺伝かどうかは微妙ながら親が太っていると子供も太っている傾向にあり、肥満によって頬に過剰な肉が付くと、後々それが垂れてほうれい線を作り出してしまいます。
「遺伝なのかな?」と疑う前に、今一度現在の食生活や生活習慣を見直してみるべきなのかもしれません。
遺伝によるほうれい線は諦めるしかないのか
「遺伝」と聞くとどうにもならないものという印象が強く、「諦めるしかないのか」と落胆する人もいるでしょう。
しかし遺伝はあくまでも「ほうれい線のできやすさ」を示すもので、後天的なケアによってほうれい線のできにくい肌にすることは十分可能です。
例えば、ほうれい線ができやすいとされる丸顔の場合、体重や体型に気を使うことで予防、改善が見込めます。
太ると頬に余計な肉がついてほうれい線の原因になりますし、だからとって痩せすぎると肌のハリがなくなり、これまたほうれい線の原因になりますので、適度な体重を維持することで予防に繋がります。
コラーゲンが分解されやすかったり抗酸化力が弱い場合では、コラーゲンの生成を助け抗酸化力のあるビタミンCやビタミンEなどを意識的に摂る、活性酸素を増やす紫外線への対策や保湿ケアをしっかり行うことでほうれい線は確実にできにくくなります。
恵まれた遺伝を持っていたとしても、ケアを怠れば年齢と共にシワやシミ、ほうれい線が出てくることになります。結局は普段のケアが極めて重要になるのです。
肌質・肌老化の遺伝子を調べるキットもある
普通はほうれい線ができやすい遺伝を持っているかどうか分からないものですが、最近は肌質や肌老化に関する遺伝子を調べるキットが複数販売されており、それを使えば上で挙げたようなコラーゲン分解や抗酸化力に加え、複数の遺伝子を調べることが可能です。
ただ、これら検査キットは最低でも5,000円超と決して安いものではないため、負担も大きく強くおすすめできるものではありません。
ただ、遺伝の傾向を知ることで対策に役立つこともありますので、どうしても気になるという場合は使用を検討してみてもいいのかもしれません。
どんな遺伝を持っていようが日頃のケアが重要であることに変わりはないので、油断することなくしっかりと対策するようにしましょう。
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