ほうれい線ができるメカニズムとは?
実年齢より若く見られたい女性にとって最も憎むべき存在と言えるほうれい線。加齢によるしわのようにも見えるこの線はどういったメカニズムや仕組みによって現れてくるのか?
1cm強伸びただけで見た目年齢を5歳以上押し上げるという調査結果もあるほど破壊力抜群のほうれい線。それだけにどうにかして消したいところですよね。
ほうれい線ができてしまう仕組みやメカニズムを知れば予防・改善の対策も見えてきますし、化粧品選びの参考にもなるのではないでしょうか。
ほうれい線とは?
そもそも「ほうれい線」って何なのでしょう?小鼻の脇から口角に向かって伸びるしわのようなものというイメージをお持ちの方も多いと思いますが…
ほうれい線の正式な名称は「鼻唇溝(びしんこう)」。まんまですね。
ほうれい線(法令線)という呼び名は人相学のものとされています。手相では手のひらのしわを「○○線」として使用しているのを思い浮かべれば分かりやすい。
人によってその形状は異なるものの、一般的にはハの字型をしており、30代以降になると現れてくる人が顕著に増えてきます。
数多ある顔のしわの中でも圧倒的な存在感を示しており、ほうれい線があるかないかで見た目年齢が5~10歳上がるため、「最も気になるシワ」として挙げられることも多くなっています。
裏を返せばほうれい線を予防・改善できれば見た目年齢を大きく若返らせることも可能ということ。40歳を超えてもほうれい線がない人は若く見えますものね。
ほうれい線ができてしまうメカニズム
では本題のほうれい線ができてしまう仕組みやメカニズムについて見ていきます。
ほうれい線ができてしまう原因は大きく分けて2つ。
- 顔のたるみ
- 顔の筋肉の衰え
ひとつずつ詳しく見ていきしょう。
顔のたるみ
ほうれい線ができてしまう最大の要因は顔…特に頬のたるみ。
地球上で生活している人間の体には常に下に引っ張ろうとする重力がかかっています。肌も同様に常に地球から引っ張られる形に。それでも若い人の顔がたるまないのは肌全体にハリがあるから。
その肌のハリや弾力を生み出しているのが真皮のコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸といった成分です。これらが十分に機能し、しっかりと網目状に張り巡らされていれば肌はピンと張りたるむことはありません。
しかし、何らかの理由でコラーゲンやエラスチンが破壊されたり、それらを作り出す線維芽細胞が衰えたりすると肌の弾力やハリや失われ、やがてたるみやしわとなって現れてくるのです。
頬がたるめば口周りに乗っかるような形になり溝ができてしまうのは想像に難くありませんよね。その溝こそがほうれい線なのです。鼻唇溝…言い得て妙ですね。
また、これに関連して顔の肉の付き具合も影響してきます。
顔の造り上頬の肉が少ない人は、その分だけ頬に重力がかかりにくくなるため、真皮が多少衰えてもほうれい線ができにくくなります。
一方で元々頬の肉付きがいい人や太り気味の人はそれだけ重みがかかっていることになりますので、真皮が衰えるとほうれい線ができやすくなる。
顔や頬をいかにたるませないか…これがほうれい線対策のカギになってきます。
顔の筋肉の衰え
肌というのは衰えによってたるみやすくなりますが、その肌を支えているのは真皮の下の皮下組織のさらに下に張り巡らされた顔の筋肉。
こう見るとなんかすごいですよね…
顔のたるみというのは真皮の衰えが大きな要因ながら、それを支える筋肉の衰えもセットになっています。土台ともいえる顔の筋肉が衰えれば重力に負けてしまうのは想像に難くありませんよね。
中でもほうれい線に大きく関わるのが口の周りの口輪筋や下唇下制筋、口角下制筋、そして頬を支える小頬骨筋、大頬骨筋、頬筋の衰えになります。
ほうれい線を消すのに効果的なペットボトルエクササイズなどをやってみると分かりますが、やり終えた後は口から顎、頬周りの筋肉に明らかな疲労感があります。それだけこれらの筋肉が重要だということ。
鏡を見れば加齢による肌の衰えは実感できるものの、目に見えない筋肉は疎かにしがち。しかし顔の筋肉も加齢とともに確実に衰えているのです。
一度衰えると修復が難しい真皮に対し筋肉は何歳になっても鍛えることができるため、年齢を重ねれば重ねるほど顔の筋肉の維持が大事になってきます。
頬や顔の筋肉が衰える原因は?
ほうれい線ができるメカニズムや仕組みの2台要因は顔のたるみと筋肉の衰え。ではそれらを引き起こす原因とはなんなのでしょう?
代表的なものをいくつか見ていきましょう。
加齢
肌や顔の筋肉の衰えの最大の要因はやはり加齢。
年を取れば取るほど肌の代謝は衰えターンオーバーのサイクルも長くなっていきます。加えて血行も悪くなっていきますので、肌の維持に必要な酸素や栄養が行き渡りづらくなるのも要因。
また、真皮のコラーゲンやエラスチンを作り出す線維芽細胞が衰え、ハリや弾力を維持できなくなるのもひとつの原因となっています。
筋肉に関しても特別な対策をしない限り加齢とともに徐々に落ちてきます。体の筋肉の衰えは普段の行動から実感できるものの、顔の筋肉の衰えって実感しにくいもの。しかし年齢と共に確実に衰えていきます。
普段表情に乏しい人は特に要注意。
紫外線
加齢を除けば肌に最も悪影響を与えるとされるのが紫外線。
中でも真皮にまで到達する紫外線A波(UVA)はコラーゲンやエラスチンを破壊・変性させ、じわりじわりと肌を老化させていきます。
たちが悪いのは、その影響が表面化するまでに時間がかかるため対策が遅れがちになること、そして一度衰えてしまった真皮を修復するのは困難を極めること。
衰えを知らない瑞々しい肌が特徴的な20代の頃からしっかりと紫外線対策をしておくことが何より重要になるのですが、若い頃は油断しがちなんですよね。
そして事の重大さに気付く30代になって後悔…
乾燥
一般的に乾燥は肌表面の細かいちりめんジワを作り出す原因とされています。軽度であればほうれい線の原因になることはほとんどありません。
しかし乾燥も酷くなれば肌を内外から守っている角質層が荒れ真皮の水分を蒸発させてしまうことも。そうなると肌のハリや弾力が失われほうれい線を作りだす要因にも。
また、乾燥によるちりめんジワがほうれい線に沿って現れることでより深く見えてしまう原因にも。
肥満・痩せすぎ
体型の崩れや大きな変化もほうれい線の原因になります。
太ると皮下脂肪が増え肌にハリや弾力が出るという見方もあります。若い頃であればそれも分かりますが、年齢を重ね真皮や筋肉が衰えてくると頬に付いた余分な肉を支えきれず一気に落ちてきます。
最悪ブルドッグのような顔に…
また、痩せすぎもよくありません。
若い頃から一貫して細めを維持しているのであれば大きな問題にはならないものの、ある時から急激に痩せるとそれまで脂肪で維持していたハリや弾力が失われ頬がたるむ原因に。
若い頃から標準的な体型を維持し続けるのがベストなのは言うまでもありません。ただ、これがなかなか難しいんですけどね…
メカニズムから見えてくる対策
ほうれい線ができるメカニズムや仕組みは真皮の衰えやダメージによる顔のたるみと筋肉の衰え。これがハッキリすれば対策が見えてくるのではないでしょうか。
加齢に関しては抗いようないものの、紫外線や乾燥への対策は日焼け止めや美容液などで十分可能。同時に顔の筋肉を鍛えることでほうれい線を予防したり改善させたりすることが期待できます。
また、ビタミンCやビタミンE、リコピン、βカロテンといった抗酸化作用のある食品を積極的に摂りつつ、たんぱく質や脂質をバランスよく摂取するのも重要。食事に気を使うことで肥満の防止にもつながり一石二鳥です。
結構や代謝を促進させるために運動を取り入れるのも有効な手段。
重要なのはこれらの対策を少しでも早く行うこと。
前述のように一度衰えてしまった真皮を回復させるのは並大抵のことではありませんし、顔の筋肉にしても衰えが少ないうちに対策することで無理なく鍛えることができます。
20代であれば若いうちから対策を。30代40代でもいち早く対策することで回復が見込め、状況によってはほうれい線を消すことも可能です。
厳しい言い方になりますが、「諦めた時が女が終わる時」。そう言い聞かせしっかりと対策するようにしましょう。
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