お酒はほうれい線に良い? 悪い?
「百薬の長」なんて言われる一方で万病の元とも語られるお酒。世界中で愛されながらも良いデータ、悪いデータが飛び交うお酒ですが、ほうれい線にはどういった影響を与えるのでしょうか?
男女ともに酒好きの人は多く「毎日飲んじゃう」という方も相当数いらっしゃると思われます。しかしもしそれがシワやほうれい線の原因になっていとしたら、普段の飲酒をちょっとためらってしまいますよね。
私も毎日飲んでしまう人間なので他人ごとではありません。
お酒がほうれい線やシワなど美容に与える影響は諸説ありますので、いくつか代表的なものを取り上げてみましょう。
お酒が美容面に与える悪影響
実は、お酒に関して美容面に与える影響で良いものというのはあまり耳にしません。
そのカギは飲酒による脱水症状と活性酸素の増加、アセトアルデヒドなどにありますので、一つひとつ見ていきましょう。
■脱水症状で乾燥肌になる
飲酒による美容面での悪影響で真っ先に懸念されるのが脱水症状です。
お酒を飲んだことがある人なら異様にトイレが近くなるのを実感していると思われますが、それもそのはず、お酒には強い利尿作用があるから。
これについて、「飲んだ分出ているだけ」「アルコールを排出するため」と思っている方も多いのではないでしょうか?確かにお酒に含まれる水分を排出しようという側面はあるものの、理由の多くは異なります。
■抗利尿ホルモンの分泌を抑制する
本来人間の体では過度に尿を排出しないために「抗利尿ホルモン」が働き尿の量を調整していますが、アルコールを摂取するとこのホルモンの分泌を抑制するためトイレが近くなってしまいます。
アルコール度数の高いお酒の場合、水分の量が少ないにも関わらず抗利尿ホルモンの働きを強く阻害してしまうため、より脱水症状になりやすい状況といえます。
■カリウムによる新陳代謝の活性化
お酒にはカリウムが含まれているものがあり、それを摂取すると新陳代謝が活発化するとともに利尿作用があります。
カリウムが多く含まれているお酒はワイン、ビールで、ビールを飲むと異常にトイレが近くなるのは抗利尿ホルモンの抑制とカリウムによる相乗効果によるもの。
これらの作用によって体の水分は急速に失われてゆき、それは細胞内の水分にも大きな影響を与え、結果として乾燥肌になってしまうのです。
乾燥が肌の大敵であることは皆さんご存知の通り。それでなくても乾燥肌がちの女性にとってお酒による脱水症状は死活問題になるかもしれません。
■飲酒による活性酸素の増加
アルコールが体内に入ると肝臓によってアセトアルデヒドに分解され、そこからさらに酵素の働きにより酢酸を経て二酸化炭素と水に分解されることになります。
これを担う肝臓は分解の過程で老化を促す活性酸素を発生させ、それが真皮のハリや弾力を維持しているコラーゲンやエラスチンを変性させるため、たるみが発生、ほうれい線の原因になってしまうのです。
■ビタミンCの消費
真皮の線維芽細胞に働きかけコラーゲンやエラスチンの生成を促すビタミンCは美容にとって必要不可欠な栄養素ですが、このビタミンCは肝臓でのアセトアルデヒドの分解を助ける作用もあります。
ただし、アセトアルデヒドを分解すればするほどビタミンCは消費されていくことになりますので、過度な飲酒で多くのアセトアルデヒドが作り出されると体内のビタミンCが減り、結果ほうれい線やシワ、シミができやすくなってしまいます。
お酒は美容に対してデメリットしかないのか?
酒好きの間では飲酒を正当化するために「百薬の長」なんて呼ばれ方をし、また適量の飲酒であれば一部のがんや認知症の予防のなることが知られてきていますが、美容面での評価はなかなかに厳しいもの。
お酒には美容面でメリットはないのでしょうか?
お酒には血行促進効果がありますし、ストレス解消も期待できるので、デメリットしかないということはなさそうですが…
お酒を飲むことによる血行促進効果により肌に必要な栄養素や酸素がしっかりと運ばれる事が期待できるのは間違いなく、その点については間違いなくメリットと言うことができるでしょう。
ビタミンCを多量に消費するストレス解消に繋がる点も注目したいところ。
しかしそれは“限定的な見方をすれば”の話であり、多少血行が良くなったって肌の水分が失わることの方が問題ですし、ストレス解消でビタミンCの消費を抑えたところで、アセトアルデヒドの分解でビタミンCは消費されてしまうのですから本末転倒。
語弊のない言い方をすれば、「飲酒による美容面でのメリットはあるが、デメリットがそれを上回る」となるでしょうか。
ほうれい線を作りたくないなら適度な飲酒を
確かに美容面においてあまりメリットがないお酒ですが、だからといって「はいそうですか」と止められないですよね。
飲酒によるほうれい線や美容面での悪影響を最小限に抑えたいなら、適度な飲酒を心がける。これに尽きます。
一般的に1日の推奨量とされるのは日本酒で1合、データ的に体への悪影響はほとんど見られない上限が2合となっています。つまりこれが肝臓で無理なく分解できる量という事になります。
日本酒2合(360ml)というと、ビールに換算すれば約1000ml、25度の焼酎で200mlくらいになりますので、美しさを維持したい、取り戻したいならこの量を上限とするべきで、もちろん少なければ少ないほど良い。
また、脱水症状を防ぐためにも可能であればお酒を飲みつつ水分を補給できればベスト。ただ、お酒飲んで水やジュース飲んで、またお酒飲んで…というのはあまり現実的ではないですけどね。
あとは、地味につまみにも要注意。
お酒自体にカロリーはあるものの、これ自体は太りにくいとされていて、飲酒で太ったり健康を害したりする大きな要因につまみが挙げられます。
肥満はほうれい線の大敵ですので、ここはしっかりと自制したいところ。
理想は禁酒ですが、「仕事終わりの1杯が楽しみ」という人も多いと思いますので、悪影響を最小限に抑えられる適度な飲酒を心がけるようにして下さい。
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