ロングヘアで顔がたるむ?ほうれい線の原因にも
美しいロングヘアは女性らしさの象徴ともいえる髪形。昔に比べ女性の髪形は選択肢が多くなったものの、男性の間では「女はやっぱり黒髪ロング」という若干時代遅れな価値観が根強いのも確か。
男性受けという点のおいてはまだまだ一線級の魅力を備えているロングヘアですが、その髪型が顔のたるみやほうれい線の一因になっているという説が存在するのはご存知ですか?
そう、長い髪の毛の重さが頭皮をした方向に引っ張り、それが顔にも波及してたるみやほうれい線を作るというのです。
にわかには信じがたいその説。しかし髪の毛というのは思いのほか重いのも確か。女性らしさの象徴でもあるロングヘアで本当に顔はたるんでしまうのか?
頭皮と顔の肌はひと続き
美容に関して近年よく耳にする言葉があります。それは「頭皮と顔の皮膚はひと続き」というもの。
私たちは髪の毛が生える頭皮と、髪の毛が生えないおでこより下の顔の皮膚を「別々のもの」と認識する傾向にあります。密度の高い毛が生える部分と顔は別々の存在だと。
しかし顔からも細かい産毛は生えますし、体に目を向ければ体毛が生える部分とほとんど生えない部分を切り離して考えることってないですよね。
髪の毛があまりにも密集しているからなのか、“顔”という存在を特別視しているからなのかは分かりませんが、これらは分けて考えられがち。シャンプーと洗顔が別々という点も関与しているのかもしれません。
でも、冷静に考えれば頭皮と顔はひと続きの皮膚からできていることは想像に難くありません。スキンヘッドの男性を見れば明らかですよね。
美容に頭皮のケアが取り入れられるように
そんなこともあって近年では美容に頭皮ケアやマッサージが取り入れられるようになってきています。
頭皮と顔は、皮膚はもちろん筋肉までが繋がっているため、頭皮をしっかりとケアすることで顔や筋肉が引き締まり、結果として顔を上に引っ張るフェイスリフトのような働きが期待できるとされます。
そうすることで顔のたるみやほうれい線を緩和・解消することができると。
ロングヘアは頭皮ケアと逆行する?
前置きが長くなってしまいましたが、頭皮ケアがフェイスリフトに一役買うなど美容に欠かせない要素となりつつあるなか、ロングヘアはむしろ顔のたるみやほうれい線を助長してしまうという意見が散見されます。
せっかく頭皮ケアを行い顔を持ち上げるよう促したとしても、髪の毛の重さがそれを帳消しにしてしまう、ケアを行っていないのであればたるみを悪化させてしまう可能性があるとのこと。
顔と頭皮の皮膚がひと続きと考えれば、確かに説得力があるように感じますが…
ロングヘアで顔がたるむとされる理由
そもそもなぜロングヘアで顔がたるむのか?
皮膚というのは上から表皮、真皮、皮下組織が存在し、その下に筋肉があります。そして肌のハリや弾力に大きく起用しているのが真皮層。
真皮層は線維芽細胞が作り出すコラーゲンやエラスチンが網目状に張り巡らされており、これが肌の弾力やハリをもたらしています。
しかし加齢や紫外線の影響などから徐々にコラーゲンやエラスチンが減少し、ピンとしたハリを維持できなくなってきます。そうなると肌は重力に逆らえずたるんできたり、深いシワを作り出してしまったりするのです。
それは顔の肌のみならず頭皮も同様。日や絵対策をしっかりと行う顔の肌に対し、紫外線が当たりやすくケアも疎かな頭皮はより過酷な環境に置かれているとみていいでしょう。
そうやって頭皮が衰えハリや弾力が失われると頭皮全体がたるみ、それは下にある顔の皮膚にも影響を及ぼします。
そこに長い髪の毛の重みが加われば、どうなるかは想像に難くありませんよね。
ロングヘアで顔がたるむと提唱する専門家も
ロングヘアにすると髪の毛の重みでたるみやほうれい線、シワを作り出してしまうという説。これが出所不明の情報であれば都市伝説として片づけても問題はないでしょう。
しかしこの意見は美容師やスタイリストから発せられることもあり、必ずしも都市伝説と片付けられない気がします。
髪の毛の重さから顔のたるみを考察
髪の毛の重みで頭皮がたるむ…もっともらしい意見ではあるものの、そもそも髪の毛って皮膚をたるませるほど重いものなのでしょうか?
というわけで、髪の毛の重さを調べてみました。
健康な人が1ヶ月で伸びる髪の毛の長さは約1cm。それをすべて刈るとおよそ8~10g程度になります。となると、1年間で伸びる髪の毛は約12cm、重さにして100~120gということに。
ロングヘアと一口に言っても、頭頂部と側頭部、後頭部の髪の毛の長さは異なるため、平均して50cmとしましょう。上記の12cmで100gに当てはめると、50cmの重さは約500gほどということになります。
しかし髪の毛は毎日50~100本程度抜け落ち新たな髪が生えてきます。ロングヘアと言えど全てが長いわけではありません。加えて美容室である程度すいている可能性も高い。
と考えればロングヘア全体の髪の毛の重さは250~300gほどとみていいでしょう。
ショートやボブ程度の長さであれば髪の毛の重さは100~150gほど。ロングヘアからそこまでカットしたとすれば、軽くなるのは100~150gぐらいでしょう。多めに見積もっても200gはいかないかと。
これらからロングヘアをバッサリ切って軽くなった重量を仮に150gとしましょう。この150gというのはチラシが入っていないちょっと薄めの新聞紙1部くらい。ハッキリ言って大した重さではありません。
これを頭皮全体に吊り下げると考えると…微妙なところです。
100~150gというのは一般的な感覚だと非常に軽い。しかしそれは手に持ったり体の上に置いたりした場合の話で、頭皮のみで支えようとした場合の負担については必ずしもそうとは言い切れません。
実際に私自身が髪の毛をまとめて、その先に新聞紙を半ば強引に吊り下げてみましたが、重みはハッキリと感じます。
これが寝ている時間以外四六時中続いていると考えると…
肌に充分なハリや弾力がある10代20代では問題にならないでしょう。しかし肌が衰えハリや弾力が失われてくる30代以降になると多少の影響は出てくるのかなというのが率直な感想。
ただ、頭皮というのは皮膚のみならず筋肉によって支えられているので、大きな影響はないとないと考えられます。
ロングヘアはたるみやほうれい線の原因になるのか?
ロングヘアなど髪の毛が長い場合に顔のたるみやほうれい線の原因になるのかどうかの考察、いかがだったでしょうか。
ロングヘアをショートヘアにしたからといって軽くなるのはせいぜい150g前後。しかし薄い頭皮や顔の皮膚のみで支えることを考えると必ずしも軽いとは言い切れません。
とはいえ、150gという重さを頭皮全体で支えることになりますから、ほとんど影響がないか、仮に影響があるとしても軽微であると考えられます。
ただし、少なくとも顔のたるみやほうれい線にプラスになることはありません。軽いとはいえ重量物を頭皮にぶら下げているわけですからね。
私たちが最も気になるほうれい線への影響はほとんどないにしても、30代にもなると髪の毛のツヤやうるおいは徐々に失われていきます。30代40代になっても美しいロングヘアを維持するには相当な時間と費用、情熱が必要になるのです。
それを行える人であればまだしも、手入れが行き届いていないロングヘアはみすぼらしいもの。たるみやほうれい線以前に、老けて見られる原因になってしまうでしょう。
ロングヘアが顔のたるみやほうれい線に与える影響は軽微と考えられるものの、プラスになることはないこと、美しい状態を維持するのは大変であることなどを考えるに、ロングのメリットはほとんどありません。
ロングに強いこだわりがある、男性受けを第一に考えているなら話は別ですが、実年齢より若く見られたいのであれば、たるみやほうれい線への影響も考え、若々しく見える適度な長さのヘアスタイルを考えてみてもいいのではないでしょうか。
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