ほうれい線に悩む人のほとんどには関係がないと前置きした上で、薄毛対策として一部の発毛剤を使用している人は、それが原因でほうれい線が深く濃くなっている可能性があります。

その発毛剤とはミノキシジルタブレット。

一部では「最強の発毛剤」とも呼ばれるミノキシジルタブレットは、男性型脱毛症（AGA）に悩む男性の最終手段として用いられることがあります。

しかし、プロペシアやザガーロといった発毛剤も使用できる男性と違い、ミノキシジルは女性が唯一使用できる発毛剤ということで、どうしても薄毛が改善しない女性が使用しているケースも。

なぜミノキシジルタブレットでほうれい線が悪化するのか？薄毛とほうれい線の両方で悩みを抱えている場合はどうすればいいのかなど詳しく取り上げていきます。

ミノキシジルタブレットとは？

ほとんどの人はミノキシジルタブレットについて知識がないと思われますので、まずはこの発毛剤に関して簡単に説明しておきます。

ミノキシジルは日本をはじめ世界中で使用される発毛成分で、日本においては大正製薬のリアップシリーズが独占して販売しています。

しかしそれはあくまでも頭皮に塗布する外用薬での話。ミノキシジルタブレットのような内服薬を発毛剤として認めている国はひとつもありません。

このミノキシジル、元々は高血圧治療のための血管拡張剤（降圧剤）で、副作用に全身の毛が濃くなる多毛症が存在したため、副作用が少なく発毛効果を頭皮に集中させることができる外用の発毛剤として用いられるようになりました。

しかし、多毛症が本来の力を発揮するのは内服薬…ということで、より効果の高い発毛剤を求める薄毛の人たちに愛用されています。

ちなみにミノキシジル内服薬は日本において発毛剤としてはもちろん降圧剤としても認可されていないため、これを手に入れるには一部のAGAクリニックで処方してもらうか、もしくは個人輸入で海外製のものを購入するしか方法はありません。

薄毛に高い効果を示すことから男性のための薬というイメージですが、前述のように女性が使用できる発毛成分というのはミノキシジルしか存在しないため、外用薬で思うような効果が得られなかった女性が使用するケースも散見されます。

ミノキシジルタブレットでほうれい線が悪化する原因

ミノキシジルを服用すると、多毛症により髪の毛をはじめ体中の体毛が濃くなります。しかし本来の作用は血圧を下げるものであるため、様々な副作用が懸念されます。

代表的なものがめまい、血圧低下、動悸、むくみなど。

そして、一部で囁かれているのが「ほうれい線が現れた」「肌が明らかに荒れた」という、美容にとって最悪の副作用。

血圧を下げ全身の毛を濃くするミノキシジルタブレットでほうれい線？一見関係がないように感じますが、そのメカニズムはどうなっているのか？

むくみでほうれい線が濃くなる

ミノキシジルタブレットを服用することで現れる副作用のひとつに「むくみ」があります。

降圧剤であるミノキシジルタブレットを飲むと血管を拡張し血流が改善することによって血液の濃度が薄くなります。それを解消するために血液中の水分を血管外に排出してしまうことによってむくみが生じてしまいます。

それによって顔がむくむと、頬が高くなる上にたるみやすくなります。

また、ミノキシジルが肝臓や腎臓に負担をかけ利尿作用が低下。水分が思うように排出されずむくんでしまうという見方もあります。

どちらにせよミノキシジルタブレットを服用するとほうれい線が濃くなると実感する人が多いのは、薬の作用による顔のむくみが大きな要因なのです。

ミノキシジルで肌荒れが起きる？

ミノキシジルタブレットを飲むことでほうれい線が濃くなってしまうのと同様に、一部で囁かれているのが「肌荒れ」です。

その肌荒れ具合は、ガサガサ、赤ら顔、脂ぎったなど一様ではないものの、中でも多いのがニキビ。

ミノキシジルを服用することによって血管が広がると同時に新陳代謝が活発化。それによって皮脂の分泌が増えニキビが増えてしまうと見られています。

肌の新陳代謝が促進されるというのはむしろ喜ばしいことのようにも感じますが、「一気に老けた！」という声も多いため肌にとって良くない作用が働いている可能性があります。

それは目に見えない形で真皮にダメージを与えている可能性も否定できません。もしそうであればむくみとの相乗効果でほうれい線がより濃くなってしまう原因にも。

ただ、新陳代謝が活発に行われ、かつ皮脂の分泌が増えるというのは、乾燥気味で肌のターンオーバー周期が遅れがちな30代以降の人間には願ったりかなったりのような気もするんですけどね。

ミノキシジルなどの発毛剤に対し、育毛剤を売りたいサイトが過度に不安を煽っている感もありますので、肌荒れに関しては必ずしも鵜呑みにしないほうがいい気もします。

ただ、顔がむくむのは確か。

ほうれい線を悪化させない方法

ミノキシジルタブレットを服用することで顔がむくみやすくなってしまうため、どうしてもほうれい線が目立ちがちになってしまいます。そうなれば老けて見られるのも致し方ありません。

そのため美容面で考えればミノキシジルタブレットを使用しないほうが良いのは間違いないものの、誰も好き好んでこの薬を使っているわけではありませんよね。そう、そこには薄毛という大きな問題が立ちはだかっています。

高い発毛効果があり、かつ個人輸入を用いればビックリするくらい安価に購入できるミノキシジルタブレットは薄毛の人にとって救世主ともいえる存在。それによって薄毛が改善したという人も多いでしょう。

しかしほうれい線も気になる…だからといって服用を止めれば薄毛に逆戻り…非常に難しい問題でもあります。どうにか両立する方法を伝授しておきましょう。

カフェインを摂る

むくみを解消するには細胞内に溜めこまれた水分を排出する必要があります。手っ取り早い方法は利尿作用があるカフェインを含んだコーヒーやお茶を飲むこと。

トイレの回数が増えることはあまり好ましくないものの、むくんでほうれい線がはっきりと刻まれた顔を晒すくらいなら、尿として水分を輩出したほうがいいでしょう。

ただし、夏場などにカフェインを摂り過ぎると脱水症状に陥る可能性がありますので、コーヒーやお茶は1日5杯くらいに抑えておいたほうが無難。

運動をする

最も健康的なのは運動をして汗を流すこと。

運動しはじめると10～20分後ドバっと汗が出てくるという経験をしたことがある人は多いと思います。あれは細胞が溜めこんでいた水分が一気に放出されるから。

加えて、運動することで筋肉が鍛えられ血行が良くなります。結果むくみにくい体になるので一石二鳥といえるでしょう。

顔や首のマッサージをする

顔や首のマッサージをすることで余分な水分をリンパに流しこみ、むくみを解消できます。

やり方は多岐にわたりますが、指を2～3本使い口元から頬をぐるっと回しながら耳の下まで持っていき、そこから鎖骨に向けて下げていくような方法を取ることが多くなります。

ただ、この方法は顔周辺のみを対象にしたその場しのぎですので、可能であれば運動も取り入れたいところ。

髪の毛を取るか肌を取るか

「髪は女の命」といわれるように、美しい髪の毛は女性の魅力を引き出してくれます。しかし近年は女性の社会進出により薄毛の女性が増えているのです。

「ちょっと薄いかな？」程度なら我慢できるものの、明らかに薄い女性も増えてきており、薄毛の悩みを抱える女性がミノキシジルタブレットに行きついてしまうことを完全に否定することはできません。

だからといってほうれい線が深くなってしまうのも困りものですよね。

ミノキシジルタブレットという最終手段に行きついている女性であればすでに様々な育毛剤を試していることが予想されるので意味のないことかもしれませんが、現在はマイナチュレ のように比較的価格が安く高機能な女性用育毛剤も存在します。

こういった副作用の心配がない育毛剤で薄毛が改善できるのであれば、それに越したことはありません。

一方、男性であれば塗りミノ（ミノキシジル外用薬）やフィナステリドをまず試し、それでも効果がなければデュタステリドに変更という順序で試すべき。…まあミノキシジルタブレットを使っている猛者は重々承知だと思いますが…

ミノキシジルタブレットはほうれい線や肌に悪影響があるだけでなく、血圧低下によるめまいや心臓への負担など様々な弊害が予想されます。

仮に使うとしても、女性は2.5mgを半分に分割し1.25mgから、男性は2.5mgから試すなど、できる限り量を減らすようにしてください。